靴作りを通して街作りを


西成の靴作りは、かつて老衰・病死した牛馬の処理・解体などの職業を強いられた部落産業という歴史的背景をもつ。明治時代からの皮革産業の発展と共に歩んできた地場産業です。こうした背景を背負いつつも、昭和30年代には広く近畿一円に商圏を誇るほどのピーク期を迎えましたが、 外国製品の進出や合成皮革の登場で縮小。さらに、機械化や職人の高齢化、後継者不足も影響して、製靴メーカーは現在100軒以下と、40年前の3分の1ほどに減少しました。

 そこで、地元の住民組織である「西成地区街づくり委員会」が、伝統の技術を伝え、新しい靴作りのプロを育成しよう、また、靴作りを通して地域の子どもたちに仕事の夢を育み、障害者や高齢者が働ける場づくりにもしようと、1996年にスタートさせたのがこの西成製靴塾なのです。

- 01 -